「安産祈願のものじゃねーの、これ」
夜這いをかけてみれば、これが布団の上に鎮座しておられたのである。
「何の嫌味よ」
手紙があった。また出張のお知らせである。がくり。そして手紙の追伸には。

「とっつあんの望み通り、どっかでがんばってこいや」

そうあった。愛されてないのかしら、俺。涙が出て来る。そりゃもう。

「先生、恋愛ってどうやるんだよ」
空中に向かってそうぼやく。生涯独身、清廉潔白…かと思えば。
「やめておこ」
あの先生はダラシがなかった。女がらみも金銭感覚も。意外と駄目な男だった。惚れ込んだ女には銀時が知っている限り三回逃げられた。甘いものを買いすぎて、まともな食事の代金にも事欠いた。寝たばこをして小火騒ぎ起こして、寺子屋の生徒たちに怒られた。どこかの南国の島に伝わる料理をするんだと言いだし、でかい穴を掘って…結局自分が落ちて、高杉に冷たい目で見られた。まあ、あの穴で蒸し焼きにした芋と魚は確かにうまかったが…。やめておこう、もう。何をやっても不器用だったが、喧嘩は強かった。剣術も実用的だったがめちゃくちゃ強かった。親子だなあ、とふと思う。結局は謀反人として処刑されたが、最後まで不器用だった。優しそうな外見をしていたくせに。生きろと言った。自分の信じる道の為に、と。だから、銀時は生き残ってきた。そういえば、今現在の養父も…変な男だ。

「哀しくなってきた…」

せっかく取っておいた宝物。大事なノートに赤ベコにさるぼぼに…。どこか的の外れた贈り物を次々としてくれる土方十四郎という大事な人。
「愛されてないのかなあ」
「相変わらず気味の悪いヤロウだな、おまえは」
帰っていたらしい。
「煮干しの目玉より死んでると総悟が言っていたが…本当だな」
くすっと笑う。
「あのさあ」
「心配するな、明日は非番だ、俺は。おまえはキリキリ働けよ」
「うん」
いいのね、今晩は。張り切っても。

「でー隠し子作る気は」
「ねーよっ」
隣で、寝転がって言った言葉に銀時はやっぱりこいつは、と思った。
「そっか。とっつぁん、がっかりするなあ」
「あのさあ」
「解っているよ」
どうだか。二人がいる布団より結構離れた位置に張り子の犬が転がっている。この犬と縁のあるような幸せな男は…この屯所にはいそうもなかった。で、これがなぜあるかと言えば。やぎさんゆうびんの彼が贈ってきたもので、いくら調べても、何も出てこなかったが、証拠品と言うことで屯所に残されてある。ちなみに今まで郵送されてきたものすべて、証拠物件として保管されている。なんで、あの馬鹿は過激派テロリストなんだよ、と銀時はぼやくこと仕切りだったが。
「いつかきっと叩き斬ってやる…」
そう誓っても。どこにいるのか、行方は知れない。


「次は何がいいかなあ…」
高杉晋助は喜々として、いろんなものを調べていた。あいつをからかうのは実に楽しい。なぜか反応を返す様も楽しい。しばらくは退屈せずに済みそうだ。土方が天を突き抜けた天然だと知ってから、この楽しみはしばらくは続きそうだ。ざまあみろ。

そして携帯メールが届く。
「おまえ、いい加減にしておけよ」と。お節介なヅラからだ。
「相変わらず几帳面なことだな」
けど、やめるつもりは毛頭ない。戦闘準備はまだ整わないのなら、こういうのも一興だろう。変なことにはまっている頭を見て、来島また子は溜息をそっとついた。ひょっとして、晋助様も、ちょいとお馬鹿ちゃんなのかしらん、と。







先生マダオ同盟に加盟いたしまーす。といってもどこのサイトだったっけ・・・。というわけで、弟子もそろってちょっとおかしい・・・人になってます。はい。