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大げさなジュゲーム...10
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白山羊寄書来 黒山羊不読食
然黒山羊書記 先書用事如何
黒山羊寄書来 白山羊不読食
然白山羊書記 先書用事如何
汝事、進展如何
額に入ったものが銀時宛てに届いた。かの中国の書家で知られる王なんとかやらの書体に似せた文字が美しい紙に綴られている。そして見事な装丁。高級な事は間違いない。問題なのはその似非漢詩の署名だ。東洋一狂生とある。銀時は知っている。これは高杉の号だ。落款も押されてあった。
「あんのやろおおおっ」
「でも、これなんて書いてあるんだ」
近藤がそう聞いてきた。
「・・・多分、やぎさんゆうびん・・・」
「また、高杉におちょくられているのか、おまえ」
近藤が感心する。
「どう見てもグレードアップしてますね、これ」
新八の言葉に銀時はうなだれた。
「なんで、こんなことになるんだよっ、あの馬鹿何知っているんだ、つか、どうして知っているんだ、不思議だったけど」
「それは、近藤さんのツィッターのフォローに高杉がいるからじゃねえですかい」
沖田の弁だ。
「ついでに桂には俺が知らせてますけどねぃ」
「ゴリさんっひどいっ」
「そうかなー、今日も銀時はトシに蹴り出されたなう、しか書いてないけどな」
それかよ。こんちくしょー。
で、頭ひねって、また張り出した、万事屋の玄関先に。おかげさまでうまくやっていると漢文で書いて。が。
今度は屯所の玄関先に風雅な漆塗りの盆の上にサザンカの花に結ばれた文が置いてあった。
草書体で、いつもの歌詞がかかれ、草書体で「そんなわけねーよ、ばーか」と書かれてあった。署名は東行と記されている。が。
が。
草書体は読めないものが多く、縦にしても横にしてもわけが解らない。騒いでいたら、松平長官がやってきた。彼は腐っても徳川一門の男だ。大名の一族で、教養も知識も豊富だ。草書体の文も読み慣れていた。
「銀時、これはやぎさんゆうびんで、最後には「そんなわけねーよ、ばーか」と書いてあるんだぞ、おめー読めなかったのか、あいつの弟子だろーが、しょーがねーなあー」
その台詞に銀時はまたわなないて叫んだ。
「必要以上にグレードアップさせんじゃねーよ、晋助のくそ馬鹿野郎―――っ」
「しかし、いい香、たきしめてあるな、この紙は」
お香まで使ってやがるのか。。。近藤と土方は顔を見合わせていた。
「ちったあーかまってやれよ、トシ」
「いいけど、図にのりやがると仕事に差し障るだろが」
ぷっかー。と煙草。
「で、毎晩の様に蹴り出すってわけか」
「騒いだら、総悟がまたぶっ放すだろ、それよかマシだと思わねーか、近藤さん」
「まあ、そうだな」
「そこで納得しないでくれるっ、二人ともっ」
「なんだあ、銀時、おかしいと思ったらおめートシに惚れていたのか。しょーがねーなー、嫁の話つけようと思っていたのによー」
「いらねーよ」
「うちを継いでもらおうと思ったのによー、しょーがねー、おい、トシ」
「なんだよ、とっつぁん」
「おめー、うちの栗子どーだ?」
「けっこーでございます」
「だろな。ふむ。断絶はなんとしても困る。銀時ぃ、おめーどこかで隠し子造ってこいやー」
無理―っっっ。銀時の絶叫は響き渡っていた。
「またおかしくなってるぞ、どうするつもりだ、高杉」と桂は高杉の携帯にメールを送っていた。
「また楽しむに決まってるだろ、聞くな」が返事である。
グレードアップ高杉君。平安時代の貴族の男性は漢文、仮名文字の和歌、両方とも心得ていたそうで。その習慣は大名など上級武士にも受け継がれていたからねー…。しまいにゃ武家階級なら当たり前になっていた・・・ですね。
