• 大げさなジュゲームINDEX
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    • 大げさなジュゲーム...01
    • 「指名手配犯が検挙された、だと」
      土方は煙草を消し、説明を促した。
      「白夜叉と呼ばれる攘夷志士ですが・・・それが」
      「ん、どうした」
      「松平長官が探していた子と特徴が一致すると言って、猶子扱いにして手元に引き取ってしまったそうです。名字は、その、戸籍上は松平、通称は今まで通りという形にしたそうです」
      「そうか、それで」
      「その御方をこちらでお預かりせよ、と命じられまして、近藤局長とともにみえられるそうです」
      「わかった、それで」
      「その御方の私物をこちらで調べ上げて、危険がない場合は当人に返すように言いつかっております、副長」
      「ご苦労」
      部下を帰すと、土方は白夜叉、かと呟いた。多分、あの万事屋の阿呆だろう。頭痛いな、なんでとっつあんが奴を引き取るんだろう・・・。


      「副長」
      押収した白夜叉の私物を調べ始めるが。収支決算に並ぶのは赤い数字。人件費も真っ赤。万事屋銀ちゃん出納帳・・・。そして、一冊のノート。
      「何だ」
      隊士が変なノートをめくり始めていた。
      「このノート、何ですかね、土方君ってずいぶんがさつな彼女なんですねえ」
      「・・・」
      「えーっと、初めて行った居酒屋の箸袋、初めておごってもらった団子の串、それから、誕生日に買ってもらった赤ベコ、さるぼぼ、それから・・・」
      「もういい・・・」
      どう見ても、あの馬鹿の持ち物だ。こんな恥ずかしいもの、なんで大事に持っていやがるんだ、まったく。すべて酔っ払ってやってしまった事だ。赤ベコも、さるぼぼも押収物の中にちゃんとある。見事に見覚えがある品物だ。誕生日とクリスマスプレゼント寄こせとごねられて、仕方なく出張先で買ってきた品物だ。嫌みを込めてかなり大きい。
      「大きいですね、この赤ベコもさるぼぼも」
      くそっ。捨てろ、あの馬鹿。土方は黙って調べあげ続ける隊士の様子を溜息ついて眺めていた。

      「あ、ついた模様です、副長」
      玄関先の物音に、別の隊士が告げる。くだらない品物を検品するのにも飽きた頃だった。飽きた、と言うよりもあきれた、と言うべきか。

      案の定、あの馬鹿だ。手錠を外す近藤が苦笑していた。
      「なんで、俺、ここ預かりなん」
      「とっつあんの養子に無体な事は出来んからな。おまえの指名手配消すのに、あの親父、むちゃくちゃしやがったな」
      「よくわかんね」
      「親友だったそうだ、吉田某とかいう学者先生。助けようとして、実の親父ぶん殴って謹慎処分食らったそうだ、とっつぁん」
      「・・・どえええっ」
      「おまえ、あんな過激な男、よく忘れていられたな、おい」
      「あっそう、やっぱり、あの過激なおっさん、あのおっさんだったんか」
      土方がやってきた。いきなりかかと落としが炸裂した。うずくまっている銀時の頭にもう一発拳骨。
      「なんで、殴るんっ、しかもいきなりー」
      「殴るに決まってるだろが、あんな恥ずかしいもん、さっさと捨てろ」
      「やだよ、記念品じゃん、俺たち二人の・・・」ふごっ。みぞおちにもう一発。おいおい、と近藤が笑う。
      「何やってんだ、トシ、それに銀時」
      「こりゃ痴話喧嘩にもなりまさ。近藤さん、見てごらんなせぇ」
      沖田が持ってきたノートには「愛のメモリー」なんて恥ずかしいタイトルがついている。
      「見るなよ、恥ずかしいっ」
      「証拠品ですぜ、旦那」
      「ちくしょー」

      愛って重さが変わるものなのね。。。

      居酒屋の箸袋に団子の串、ケーキについてるハトロン紙とアルミ。チョコケーキによく刺さっているケーキやの小さなマーキング。饅頭をくるんでいたビニール、お菓子屋の包み紙の切れ端。そんなものが日付とともにノートにしっかり貼り付けてあるのだ。保存に適するようにきちんと洗って乾かして・・・なんてめんどくさい作業まで施した上で。
      「すげえや」
      沖田があきれるそばで顔を隠して恥ずかしがる銀時と、それに向かって鉄拳をお見舞いしている土方。
      「このくだらねえゴミ、どうしたんだよ、万事屋」
      近藤の質問に銀時はきちんと返事する、土方の繰り出す鉄拳と振り回す刀をよけながら。
      「だって土方君が買ってくれたもんなんだもん、記念に取っておいてどこが悪いの」
      「捨てろ、この腐れヤロウっ」
      二人のばかばかしい喧嘩の横で、沖田がでっかい赤ベコを抱えて、ちょんちょんとつついていた。
      「お、沖田くーん、その赤ベコ、銀さんの宝物なんだからね、壊さないでよ」
      「ぶっ壊して捨てろ、総悟」
      「近藤さん、屯所、壊れますぜ、どうしやしよう」
      「放っておけ。給料から引いておけと勘定方に告げておけよ、総悟」
      「近藤さん、そりゃねーーーっ」
      「坂田副長の初任給はなしだな」
      クスクスと笑って沖田が赤ベコをつつく。赤ベコが「んだ、んだ」と頷いていた。


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