たまには素直に

 「土方さーーーんっ、たすーけーてー」

え。聞き間違いかなと土方は耳をほじる。そしてもう一回耳に届いた時。

 「総悟がんなこというわけねえ」

 「いいからーたすーけーてー」

と、庭を見る。かの偉いドラゴンがいた。その右手に隊服姿の誰かがいる。まるで往年の映画にあるキングコングにつかまった美女のように。そのドラゴンは器用に片足でつま先立ちしている。なにせ偉いドラゴンの大きさときたら…。キング○ドラの首が一個しかついてないバージョンみたいなもので。

 「だかーらーたーすけてー」

 「いやないない。総悟がそんな」

 「いやー多串君、あれどー見ても沖田君じゃねーの」

いつの間にか来ていた銀時がそう言う。

 「え」

よく見ると。隊服は確かに幹部のもので。ちっちゃく見える頭は確かに亜麻色で。

 「総悟」

 「土方さーんっ」

 「そのおっきいお友達には即刻帰ってもらいなさい、いい子だから」

 「人が素直に助けをもとめているってーのに」

 「いや、おまえが素直だったら明日は大雪だ、槍も宇宙船も降ってくるかもしんねえ。火星あたり大爆発しかねねえ」

 「そんなあーーーだってこのドラゴン、全然遊びに来てくれないから、さらっていくってさっきから言ってるんだよおおお」

 「そらまあ…地球の平和の為にもいってらっしゃい」

万事屋の旦那がそう言った。横で土方が暫く硬直。

 「わかった。今日からおまえ、特別任務な。粗相があっては何だから、俺も行く」

 「……たすけろって言ってるのに」

 「むりむり。それ絶対無理だから」

火炎放射一吹きつーか、溜息一息にちかいよーな(?)で、総悟に刃向けた一党が逃げ込んだ船、木っ端微塵にしちまったんだからね、その偉いドラゴン。しかも、何故かその連中、命だけは助かっていたという…どういうやり方すりゃんな器用な事できんだ、おりゃと思ったばっかなんだから。

 「おーヤニくさいにーちゃんも一緒かーこりゃ暫く退屈せんですむなあ、嬉しいこっちゃ」

…いってらっしゃい。万事屋は二人と一匹が消えた時空の穴に向かって手を振った。

 「ちょっとおおおっ何してんのおおおっ」

ゴリラの雄叫びが聞こえたが。

 「君らの上司、結婚行進曲奏でていたで、あんちゃんら」

 「マジでか」

 「いや、どっちかてーと悲鳴だろ」

土方はそう言って、煙草とマヨネーズ型のライターを懐からとりだした。

 「時空空間までヤニくさくしねーでくだせえよ、土方さん」

 「ほっほほほほ、奥さん強いねえ…」

 「やかましいわ」

新婚旅行はさて、偉いドラゴンが提供してくれるらしい。

 

 「「んなわけあるかあああっ」」

 

                   おしまい