無防備どころか、休暇にこれ、なんて。なんてこったい。宇宙もいいかと行ってみれば。しっかり宇宙船が事故った。そして吹っ飛ばされてついた変な星。
「なんじゃあああ、こりゃあああ」
ばかでっかいトカゲもどきがいる。
「あれ、なんで異世界の人間が…俺、何かした?」
ちょっと下世話な会話を好む真っ黒いトカゲもどき。
「エス…いやさ、あの子はちゃんとマスターいるし、今は。でもこの子は…男の子かよ」
つまんねえな、とぼやいたりして。まっいいか。なので。降らしてみた、この世界の衣服。
「え、着替えろって…あのなあ、俺は男なんだけど」
「失礼、こっちだ」
ひらりんと舞う服は。
「これでいいか」
いいけど。何せ隊服だ。文句はない。総悟はそう思う。ちょっと待て。さっきの服は…あの服に似ているよーな。似ていたじゃなくて、そのものだったらしい。ぽりと顔をかいて苦笑いする真っ黒いトカゲもどき。
「俺は通称ジェットドラゴンという。よろしくな」
「あーよろしく…」
「この世界には五匹ドラゴンがいる。まあいいけどな。とりあえず元の世界に戻れるまで俺があんたのガードをする。ここはへんちくりんだぞー」
いやすでにトカゲの馬鹿でっかいのが喋る時点でへんちくりんですけどね、と総悟は思う。で。
「一応、刀も用意しておいた。持ってろ」
「ふーん」
菊一文字によく似た刀一振。
「さーてと、退屈紛らしに何すっかなー」
え。このトカゲもどきって、…。…。
そのころ、地球。
「総悟―――っ」
近藤と土方が心配しまくっていた。
「沖田さんだけ、どっかの星に吹っ飛んだらしいんですよ」
「どこだよ、そこ」
「さあ…」
どっかーーーんっ。
「やってみるもんだなあ、吹っ飛ばし」
真っ黒いトカゲもどきはそう呟いた。
「あのね、屯所壊さねえでくんねえかい、偉いドラゴンさんよ」
「いいじゃんかー」
下世話なジェットドラゴンは何故か、てめーでおっ開げた時空の穴を使って年柄年中沖田総悟の前に出現しまくった。
「にーちゃん、俺と遊ばんけ」
「やなこった」
「おまえ…ずいぶん変わったもんに好かれるようになったなあ…」
「知りませんぜ、こんなの。何でも顔が好みのタイプとかいって、ちょこちょこきちまうんですぜぃ、何とかしてくれ、土方さん」
「こんなどでかいトカゲもどきにどーやって対抗しろってんだ…」
「いいやんかー。にーちゃんおらと遊んでけれ」
「…なんか段々キャラ壊れてきてないか、このドラゴン」
「ほっときましょーぜ、土方さん」
ドラゴンの前でキスしてみた。が。ドラゴンは楽しそうに笑うだけだった。
「誰か助けろ…」
二人はそう思ったが。偉いドラゴンにかかっては無防備もいいところだ。
「かわいいあの子が戻るまでー。るったるったらんらーん」
下世話なドラゴンはそう鼻歌を歌っていた。
おしまい。