03.光・一千万年3

沙漠の中での闘い。でかいモーターヘッドと呼ばれるロボット。が、銀時と意識を交換させられた騎士には破裂の人形は与えられていない。能力が低いためでもある。
 「なー沖田くん」
 「なんですかい」
モーターヘッドのコックピットで、銀時が訊ねてきた。
 「あのさー、もし負けたらやべーんじゃないのかなーと」
 「旦那、負ける戦とでも」
 「思いたかねーよ、沖田くん」
 「旦那、身体にまかせやしょう、こいつが不安がってますぜ」
 「こいつ?」
 「このロボットというか、武器というか」
 「このでかぶつが」
 「言葉切り替えます、マスター、不安が広がってます」
 「え」
銀時が唖然としている間に、ファティマの言語が言うなれば、英語に切り替わった。作者注・()での会話が英語のつもり。笑。
 (メイン兵器をお決め下さい、マスター)
 (メイン兵器、まさかりつーのかな)
 (了解)

 「ちょっと待て、まさかりってのは…ねーだろ、おい」
土方は遠くから見ていた。
 「いや、あってるかもな、相手は重タイプか」
望遠鏡の向こうでまさかりを振り回すモーターヘッドに溜息が出た。
 「大丈夫かね、あいつら」

 (いきますよ、マスター)
 (もー好きにして)
会話のほとんどはヘッドホンを通して土方にも届いていた。
 「ほんとに不安だナー、翻訳機能、オンしておくか」
二人の会話を聞いて土方は…絶望した。
 「駄目だこりゃ」
爆音。
 「おいおい、へ、勝ったのか…なるほどな、おい、万事屋、総悟、無事か」
 「へーい、なんとかー」
ほっとする。が。ふと不安になり、通信機器をいじってみた。クバルカン騎士は単独行動をしているらしい事が解った。
 「まだ全面的には参戦してねーってことか」
 「ひじかたさーん、指もげた」
 「ロボットのか」
 「へい。マイスターよばねーとまずい」
 「解った」
どーでもいいけどなんで、俺がモニタリングせなあかんのよ、と土方はぼやいていた。内心で。本当なら、万事屋が騎士ではなくて、という話はあのデカブツトカゲ野郎から聞いていたのだが。
 「まっいいかーなんてよ、あのやろう」
五匹のトカゲ野郎のうちの一匹らしい。炎を司るドラゴン、雷を司るドラゴン、などと役割は分担されているらしいが。話によれば、炎を司る最強のドラゴンは最低のでかいアホな鶏状態だというが。
 「無茶にやりましたねー」
マイスターがそう言って溜息をついた。もげた指を修正。
 「明後日までには直しておきます。何せ、また出ていますから」
出撃命令。
 「え」
もうやだーという顔を思わずするファティマにマイスターは首を傾げる。
 「どうか」
 「いえ、何でもないです」
気のせいだよな、この御方のファティマはそんなに優秀じゃないはずだし。基本構造はモラード博士だけど、育成は別人なので、グレードは落ちているはずだし。基本構造が、モラード。それが実はミソだったりするのだが。


 「おい、総悟」
 「おーきたくん、いつものポーカーフェースしてなきゃ駄目じゃん」
 「へーい。で、旦那、またまさかりでいいのかな」
 「金太郎から離れてくんない…」
無理と違うか、と土方が笑う。搭乗するモーターヘッドは熊に似ているならいいけれど。破裂の人形もどきなのだから熊ではない…って金太郎から離れようかしらん。。。
 「いい加減な事言うと格下げなるよーん、万事屋の旦那」
出た。馬鹿トカゲ。
 「もう少し規律のゆうるい騎士団が良かった…」
 「おもいきしゆるいのなら、ミラージュってのがあるけど」
 「ふーん」
 「でもあそこはおもっいっきり馬鹿じゃねーとつとまんねーし」
トカゲの評価に三人は絶句する。最強の騎士団という噂なのだけど、ね。
 「それに戦争体験できん」
トカゲの言葉に三人は疲れ果てた。
 「したかねーっての。もっと平和に暮らさせろー」
 「おらの大事な可愛い子ちゃんはファティマなんだもん、しかたねーじゃんよー」
 「あっそ」
力抜けるぜ、このトカゲ野郎。とは言うけれど、実はこのジェットドラゴンのへんちくりんな言葉を理解できるのはこの世界では、なんとこの三人だけなのだ。沖田と銀時と土方のみ。なんてこった。