01. 光・一千万年1
「だから、おまえはいい加減あのドラゴンと縁切りしやがれーっ」いくら言っても。
「俺がしてぇと言っても向こうが納得しねえんです、無理ですぜ」
また屯所の庭でアラベスクしている偉いドラゴン。
「にーちゃーん、球根、違った旧婚旅行なんざ、どうだいねぃ」
「んーいいけどさあ、そっちの世界って、このまんま行ったんじゃやばいんじゃねえの」
「心配いらねえって。シンクロ出来る騎士とファティマ、見付けておいたから」
「なら行く」
好奇心、猫をも殺す、なのか、それとも…藪蛇なのか。土方は思わず、そんな旅行はあの目障りな万事屋と行けばいいだろが、と思ってしまった。
「あのさ、お願いがあるんだけど」
嫌な予感が走ったのは、土方ではなく、屋根修理中の万事屋の旦那。
「う、なんか変なものに好かれた感覚がした…」
「銀ちゃんならしょっちゅうネ。何気にすることアルか」
神楽の言葉に頷いていいものやら。そして。仕事が一通り終わり、街中をぶらりと歩いていた銀時の前にそれは現れた。
「だーんな」
あの黒いドラゴンの手の上で、沖田総悟が笑っていた。
「げ。」
その横で土方が憮然と煙を製造していた。
「旦那も来やせんか」
「ど、どこにーーーっ」
「もちろん、ドラゴン様の本星に」
「い、結構でございます」
「まあまあ、遠慮せずに」
銀時の悲鳴など構うことはないドラゴンの不思議な力は銀時の身体を空中に浮かせ、その手の上に収めた。
「お、おろしてくれえええ」
「だーんな」
無駄ですぜぃ、と沖田が笑う。
「お、俺行きたくないんですけどぉ」
「諦めろ。俺等の意志なぞ、この偉いドラゴン様にゃ通じねえよ」
「そんなーーー」
「んーーーこの銀髪のにーちゃんに合う身体…あり。手違いしちったなーオラ」
「へ」
その言葉に沖田はきょとんとした顔を二人にさらしていた。
「まず、この子はこれでー」
ドラゴンの独り言が延々と荒れ野で続く。三人は唖然。偉いドラゴンさんの呟きがやっと終わると…。
「あれ」
んふっと笑う可憐な少女。めちゃくちゃ細いウェストに可愛い顔。
「だーんな」
可愛い声なのに、しゃべり方がものすごーくだらけていて…
「沖田くん?」
「あたりー」
横で渋い顔している長髪の長身の男。
「もしかして」
「そーだよ、土方だ」
服に付いた五本の紐。
「ファティママイトなんだそうだ、俺は」
「んで、俺は」
「総悟のマスターで、クバルカン法国の騎士だそうだ。枢機卿とまでは行かないらしいが」
「へ」
「あの、じゃ身体って」
「あー精神だけ、交換して、相手の人たちは元の世界に」
「俺等の世界に送ったのかよ」
「へい」
へいって。へいって。
「マスター、じゃなかった、旦那」
「ううう、なんでこんなことに。この身体、普通の人間ではないか」
「依頼って形にしておいたが、卿はここにとどまっておいた方が良いかもな」
「ドクター、なんでどーして…」
「まあ、そうあわてない。仮にもクバルカンの騎士たる…」
「あわてると思います。父様」
「だよな」
マイトは土方に、ファティマは沖田に、そして騎士は銀時に変身していた…。
えーっと「ジェットブラック」同人誌の続きです。偉いドラゴンとか、ファティマとかは・・・FSSからです。