検察側の証人・2
その日のうちに、英雄殿は研究所から姿を消していた。
「家出の心当たりは」
「私達二人にはあるけど…ここがどこなのか、どんな場所なのか、自分の目で見に行くことにしたんでしょう」
ヘンリーがそう告げた。
「僕もそう思う。探す必要はあるかな…」
「必要、ですか」
「必要ないと僕は思うけどね」
少年はそう言った。
「何故でしょう」
「ここがどういう場所か解ったら、戻って来ると思う。言葉が通じない、法律も違う、習慣も違う、金銭感覚も違う…交通機関も違うんだもの、まずこの社会のシステムを理解するには、言葉は重要だよ、言葉を学習するためには僕らは使えるからね」
「使える、か」
「この世界の言葉を学習するには僕らは教師役としては有能だと思うけれど、ただ、僕とヘンリーは…ちょっと、受け入れがたいものがあるし」
「何なんだよ」
「殿下は簒奪王朝は不愉快なんだよ、正統な王は残念ながら、リチャード二世以外プランタジネット王朝にはいないんだ。ランカスターもヨークも簒奪した上で王冠をかぶったからね、兄上も残念ながら…不適正な王なんだ。僕は甥から簒奪したし…」
「そのリチャード三世から王冠も名誉も全て剥奪した私はもっと許されない者だ」
「そこかよ」
所長がそうぼやく。
「ただ、この人に僕は…ちょっとね」
「何をした、リシィ」
「メモを残しておいたんだ…」
「どこに」
「国王の書斎の…執務机の引き出し…隠し扉の中。それに王の権限を強め、継承戦争を防ぐ方法をメモして残しておいたんだ」
「それを見て、実行することにしたんですよ、苦労しましたけれどね、ヨークの残党狩りも徹底すべき、なんて、ね。成人したら男子の血統は絶つべきだ、とか、領地争いしている土地は没収してしまうとか…プロバカンダのやり方とか。事細かく書かれてましたよ、署名を見てぞっとしたもんです、だから、王家のタイルをグレイフライヤーズに敷くよう指示を出しました、ある程度実行した後にね」
「別にいいのに」
「本音を言うならば…ガーター騎士の称号は剥奪したくはなかったですね。でも、それは」
「示しがつかない。戦で倒した王が正統な王として思われているのなら、より徹底したプロパガンダは必要だ」
「あなたがヨーク家の長男なら変わっていたでしょうね」
「みそっかすまで引っ張り出したんだ、ヨークは無茶な王朝だった、それでいい」
「それ、兄上には言うなよ」
所長がそう言った。
「言わないよ、そこまで僕バカじゃないもん。あのリッチー君のストーカー、話にならないんだもん」
「その点は三世陛下に同情しますよ」
苦笑してヘンリーが言う。
「…中世の話し方が出来るのは…所長、リース夫人、それから私達二人…レイモンド博士、どれも人捜ししているヒマはないですね」
「と言う事は」
「リッチーくんのストーカーに頑張っていただこうじゃないの、ジョージ兄様」
「げ」
「頼んでおくから、僕から」
「なら、ちょろいな」
所長の台詞にぷっとヘンリーが吹き出していた。


「ホントにちょろいですね…」
「うふふ、任せてー」
所長がガックリとうなだれていた。この二人は変なところで気があって…と所長はぼやいていた。
「うまくいけば、いいですね」
「どうだろうね…」
「で、陛下」
「多分、素直に戻られないと思う。殿下はそれなりの考えを持っていらっしゃるしね」
「やはり…そうですよね…」
ヘンリーも溜息をついていた。
「どこに向かわれたと思う、リッチモンドの…」
「ただのヘンリーで」
「陛下はやめて」
「リース夫人が…」
「何」
「私達二人はめんどくさいそうですよ」
「言えてるかも」
苦笑しながら二人は部屋に戻って行く。


ブラックプリンスが戻ってきたのは、ずっと後の事だった。
「言葉がまるで通じないのは不愉快だった」
ブラックプリンスがそう言った。少年が彼と同じ部屋にいた。手には猪の、白い布で出来た猪の縫いぐるみがあった。
「それは」
「僕の紋章に使った白猪を母様が作ってくれたんだ」
奇妙に幼い言葉使い。
「彼は」
「研究している、投薬の」
「いつ移民してきたんだ、彼は」
「随分前だったみたいで、大学で医学を専攻して…この研究所に移動してきてから、初めて自分の本当の名前を公表したんですよ」
「ソレまでは内密にしていたのか」
「言葉も習慣も独学で学んだそうです。僕やジョージ、兄上よりもそれは苦難の道だったと思いますよ」
「君は彼に恨みはないのか」
「僕は彼を自殺道具にしてしまった弱みがありますね」
「神に許される事ではない」
「ここには神様はいないよ。ああ、違った、宗教を公表してはならないんだった、特に公人は」
「公人…ね」
「殿下、あなたは公人です。宇宙軍総裁になられる御方です。公人なので、宗教を公表してはなりません。そういう決まりです」
ぽんぽんと白い猪を軽く叩く手は小さかった。歌う様に告げた言葉。ここの習わしには随分慣れてきたつもりだったが、どうにもこの少年とヘンリーという男は好きになれなかった。
「君は…」
口ごもった。
「申し開きなんてしたくはありません」
少年はそう言った。
「君は汚い手を使って王冠をかすめ取ったんだな」
「そうですよ…僕は甥を追い落として王冠を奪いました、それがどうかしましたか、殿下」
「王冠を何だと思っているんだっ、貴様は」
「神聖な物だとはもう二度と思いません…」
少年の手から猪を奪い、その頬を打った。
「血まみれの飾り物ですよ、あれは」
「血まみれ…」
「ええ、殿下の弟の子孫達の血で真っ赤の飾り物です、それが何だと言うんですか」
手を振り上げた時、ヘンリーが止めていた。
「そこまでです、殿下。この患者は極端に身体が弱いんです。病にも怪我にも抵抗力がありません。それ以上の暴行は差し控えていただきたい」
「ヘンリー…」
「簒奪者への怒りは私が全て受けます。その前に治療をいたしますので、別室にお願いします」
舌打ち一つして彼が去っていった。
「陛下」
「別に…良かった…のに」
「少し、我慢して下さいね」
頷くとヘンリーは治療を開始した。
「わざとしましたね…」
「いいんだよ、殿下に好かれるわけないもの、あなたも僕も」
「憧れないわけはないんですけどね…私とて百年戦争の英雄、ガーター騎士団創成の人に憬れがないわけは…しかし、本当に美しいひとですね、ブラックプリンス…さすがは本家の御方だ」
ほれぼれしますよ、と言いながら、ヘンリーは施した治療を確認し終わると溜息をついた。
「あなたは…死にたいんですか、今でも」
「…まずいの」
「リース夫人に…セシリー・ヨーク大公妃のような思いをさせたいんですか…。あの御方の…」
「そうだね…」
ヘンリーは床に落ちた白い猪を手に摂ると少年に渡した。
「あの御方はさすがでした。素晴らしい貴婦人で…あの御方にまで害なすわけにはいきませんでしたよ、あなたの母君であられた…お会いした事はありませんでしたが…」
「母上に」
「懇願書は受け取りましたけれどね…」
「母上が何を」
「修道院へ寄付の願いですよ、自分本人ではなく」
「母上…修道院の人達に、ですか」
「そういう御方です。あの御方は。ご子息なのに気付いておられないとか」
「いや、知っていた…多分…母上」
「その御方の嘆きをリース夫人にも、そんなひどいこと本気でなさるつもりですか」
「わからない…」
「…そうでしょうね…でも、今度ばかりは私を使わないで下さいよ、陛下」
そこに入って来た白薔薇亭のオーナーを見て、ヘンリーは肩をひそめていた。
「さて、どう言ったらいいのでしょうかね」
「義父上って」
「ご冗談を。今では何の関係もありませんよ、エリザベスが私と再会望む筈がありません」
「この男は何者だ、リシィ…」
オーナー、エドワードはそう言った。
「ベシーの旦那。前の時代ではね」
「おまえ…おまえを倒した…」
「そうです、ヘンリーと申します、言ったら張り倒され物ですよね、陛下」
「あったりまえだろ…」
くすっと笑う少年。
「それでね、兄上、彼が僕の主治医なの、乱暴しないでね」
「リシィ…レイモンドは」
「研究中。治療はこの人がメインなの」
「…この男が」
軽蔑の眼差しをヘンリーは感じていた。
「今は主治医ですよ、四世陛下」
「主治医、だと」
「兄上、喧嘩腰はやめてよ、殿下はどうしてらっしゃるの」
「殿下は語学の学習中だ。トマス殿は別だな」
「ああ、十一代目のウォリック伯」
「…それも百年戦争の英雄ですね」
ヘンリーがそう言った。
「会いたい、ヘンリー」
「そりゃもちろん…会ってくれるかは解りませんけれど」
「うーん…そこはどうだろう…」
「大丈夫だと思うけれどね、ジョン殿下の子孫」
「王位継承権をそのジョン殿下から受け継いではならないと決められた一族ですよ」
「そんなん、正式の結婚ならいいじゃん」
「…それを言いますか、まったく」
「ヘンリー、あなたも王だったんだ、もっと堂々としたらどう」
「…血筋的には」
「王として機能的な人間なら血筋など問題にはならないと思うけど、ね」
わなわなと震えている白薔薇亭のオーナーをちらっと見て少年は苦笑していた。
「おまえな」
「あ。兄上の存在、ころっと忘れていた」
「ころっとはどういうことだーっ」
「それはいいとして、殿下に会えるかな、ヘンリー、やはり話しておく必要あると思うんだけど」
「殿下がこの世界を理解してからになさっては、陛下」
「やっぱ駄目」
「国王がもういない世界だと、必要のない世界だとご理解して下さらない場合は…むずかしいと存じますが」
「そこか。ところ変われば、品変わるってところで、やっぱり会いたいよ」
「納得してからですよ」
白薔薇亭のオーナーを白猪の縫いぐるみで殴ってから、リチャード少年は笑っていた。
「出てけ、クソ兄貴」
ヘンリーがくすくす笑っていた。オーナーは面白くなさそうな顔をして出ていった。そこへ殿下、と呼ばれる彼が入って来た。
「殿下」
「この世界は本当に奇妙だが…国王がいないのなら王冠も勲章も無意味だな」
「僕達二人はただの一般市民です、殿下」
「一般市民、か」
「元国王でも、今ではただの市民です」
「解っている、まあそれを心底理解するには時間がかかるが」
「殿下」
「この世界を一人で見た。言葉も通じない、習慣も違う…これはえらいところに来てしまったとすぐ解った」
「ここがどこで、どう生きるかは殿下のお心次第です」
「ヘンリー、君もそう思うのか」
「はい。青少年の姿を選び、独学で言葉を学び、システムを学び、大学に入って医学を志して…今があります」
「それは自分で選んだことか」
「ええ。前に学んだ事は何一つ役に立たない。知ってますか、私はボズワースに引きずり出された旗に過ぎなかったんです、母親の意地でね。偶然が重なっただけですよ、私の反旗が成功したのは。勝って堂々と駒を進めるほど甘い物じゃなかった。母に何度言ったことか、この先は茨だと」
「茨の道…」
「正規の王から王冠を簒奪し、その王を愛した少女を無理に妃に迎え、残党狩りを決行し…茨ですよ、一人で戦う事になったこと、産みの母さえ理解してくれなかった、息子が王冠かぶればそれで有頂天なのですからね」
「おまけに大赤字の国庫だったしねー…」
「陛下…あなた、それ」
「勝っても苦難の道しかないのは知ってた。ヘンリー」
「それって同情ですか」
「そうなるね」
二人の言葉を殿下はじっと聞いていた。
「実の兄弟よりも殿下、ヘンリーの方が僕の気持ち理解してくれる」
「そして私の気持ちもリチャード三世陛下の方が理解して下さいます」
「ヘンリー、いい加減敬語」
「それは無理ですね。あなたが残したメモは私には導きの品物ですから。茨の道なら仕方ない、そういう事ですよ、陛下」
「まったくもー、もしもリッチモンドのヘンリーだったら、と思って書いただけなのに、なあ」
殿下はその言葉を聞いていた。
「君はそれで…何を改革しようとしたの」
「王権の強化ですよ、殿下。領地から経済力から実行支配力、全ての。ただ、旧来の君主では出来ない。ヘンリーはよい機会を得たと思いますよ、僕は」
「…なるほどね…」
「僕には出来ない」
「君はそれを」
「すぐ解りましたよ、国王陛下と呼んでいるのに、臣下達は僕を見ていない。ただ血筋と、兄上の結婚があまりよろしくない結果が偶然王冠をもたらした、それだけです」
「…王冠は君には」
「不幸をもたらす災いの品物」
「そうとらえたか」
「ええ」
「私には…そうだな、雲か虹か…捕まえようとしても無駄なもの」
「少しお待ち下さい、殿下」
少年が部屋から出て行った。
「彼は王冠を持っています。私がかぶった王冠ではない王冠です」
「意味が解らんな」
「さて、どういう意味でしょうね」
ヘンリーは笑うだけだった。少年の手に王冠があった。
「これはクロムウェルが壊す前の、イングランド王の、本物の王冠です、ただし…宝石類は偽物ですけれど」
「壊す、王冠を壊す輩がいたのか」
「歴史の勉強はおいおいと…殿下」
かがんでくれ、と少年はしめしていた。そのかがんだ殿下という人の頭に少年は王冠をのせた。
「エドワード陛下…」
跪いてその手に少年は口づけした。
「あなたはあなたの王国を築いて下さい、この世界で。お頼みいたします、陛下」
「私の王国、か」
「領土もなく、城もなく、臣民もない。けれど、あなたの王国です」
「精神的な意味で、ということだな、それは」
「はい」
「解った、いいだろう…この王冠は私が預かろう。資料館に寄贈する」
「お願いします」
ヘンリーはその様子をずっと見ていた。
「ヘンリー…かぶってみる?」
「ご冗談を。国王は二度とごめんです。私は平凡な一市民で充分ですよ」
「僕も、だよ」
二人の言葉に殿下と呼ばれていた人は複雑そうな顔をしていた。


「治療費の事は気にしなくて良いのよ」
「でも、母様」
親子の会話を聞いて、どういうことか、解らない、そんな顔を彼はしていた。別室にヘンリーが彼、殿下を招いていた。
「最新治療なので、莫大の費用がかかるものですから…リース教授は蔵書をずいぶん始末したそうです…」
ヘンリーは沈んだ顔で、そう言った。
「私もポケットマネーを出しているのですが…限度があります…」
「では」
「治療を怠ると命に関わります。それはさせません…何があっても、治療は続けます」
ヘンリーの言葉に殿下は目を見張った。
「研究費も薬代も私も払ってます。くれぐれも三世陛下には内密に願います。私のポケットマネーの事、知ったら…何をなさるか、解ったものじゃないんです」
「何故、君は…彼に肩入れする」
「この世界に知り合いが誰もなく、孤独だからですよ、依存しているんですよ、よくない精神状態とは思ってますけれど」


治療費の問題について、これがまさかあんな事件になるとは誰も思わなかった。
「治療費か…」
貯金通帳を見て、ヘンリーは溜息をついた。ほとんど残高がない。リース家が滞納してた治療費を肩代わりした結果だ。
「参ったな…今月も、これか…」
研究所内で暮らすことにするしかない。
「えー、住まい、引き払ったってー」
「生活費切り詰めるためです」
「医者の給料ってそんなに安かったっけ…」
「所長は関わらないで下さいよ」
「まさか、あのチビの」
「新式の治療ですからね、費用がかさむのは仕方がない」
「まさか、フランツも」
「借金まみれですよ、あの御方には内緒ですよ、気になさったら何をしでかすか知れたものじゃない」
「ああ、まあ、そうだね…」


「こんちはー、リッチーくん…なっ…誰かっっ」
殿下の呼び声がした。ヘンリーが駆け寄るとその部屋のベッドの上で血に染まった少年の姿があった。
「これは…殿下、これは殺人未遂です、至急研究所を閉鎖しろ、逃がすなっ、私は手当開始します。必要器材を用意願います」
タブレットを渡すとヘンリーは応急手当を開始していた。
「ちっ、声帯破損、動脈より出血多量…バイタルレベル低下…触媒の用意をしてくれ、カプセル稼働、細胞検査の結果、あげろ」
命令を確実に出し、最新医学の手当をするヘンリーの様子に殿下と呼ばれる人は驚いていた。
「首を切断して脳を維持させる装置を取り付ける…殺しているように見えますよね、でも、これで三世陛下は…命も記憶もとりとめられます」
「それが…この世界での治療か」
「ええ…以前の時代では死ぬしかなかった重症ですが、脳さえ損傷がなければ助命出来ます」
冷静に確実に治療を施すと、ヘンリーは入って来た所長の姿を見ていた。
「斬りつけた者の確保は」
「済んでるよ、アンタの旗手だった男だ、あの戦場での」
「ブランドン…か」
「リシィが嫌いなのはいいが、殺人未遂はやり過ぎだ。告発…してもいいものかな、ヘンリー」
「構わないだろう」
「忠実な部下だろ」
「この世界で一人で生きてきた、今更部下が欲しいとは思わないな」
「助手は、どうなんだ」
「それは喉から手が出るほど…そうか…ここの言葉を五カ国語スピードランニングしてもらった上で生物学と一般教養…を身につけた上で医学部、か」
「けっこー地獄なカリキュラムだな」
「よし、せっかくだから、交渉してきてみよう、ムショ送りよりゃ良いかも」
「その旗手様が頭悪けりゃ、かなりの…まっいいか、リシィが目が醒めたら聞いてみよう」
「説得に応じない場合はムショ送りと言う事で」
殿下と呼ばれる人が唖然としていた。トマスもやって来ていた。
「どうかなさいましたか」
「暗殺計画になるのか、聞いた方がいいのか」
「前世界での私恨ですよ、そんな事したら自分の首が絞まる事、理解出来な…ああ、そうか、教育がまだ…か」
「ちょっと、ヘンリー君、君何か」
「交渉してみます、私の助手になってくれるかどうか。駄目なら告発しましょうか」
「まさか」
トマスが青ざめていた。
「ええ、十一代目のウオリック伯、あなたが受けたスピードランニング、五倍のカリキュラムを受けてもらおうかと…」
「言語、のですか」
「そうです、五カ国語とそれに生物学、一般教養、物理、機械科学、を習得した上で、大学で医学を」
「…それはかなりきついですね」
「処刑されるよりはマシでしょう」
「マシ、ですかね」
ヘンリーは拘置されている場所に向かった。


「久しぶりだな、ブランドン」
「陛下」
「たいした事しでかしてくれたな、そなたの心持ち次第で私にも覚悟がある」
「は」
「この世界での殺人未遂は重罪だ。移民取り消しもありうる。告発はまだしていないが、交渉してみようか、と思ってな」
「交渉…陛下」
「私の助手にならぬか」
「なります」
「よし、ならばしてもらいたい事がある。説明するからよく聞け」